よい動きと動きのコツについて(豊田誠一郎)

公開日: 2016年2月7日日曜日

1 一般的に動きのコツと言われているもの…
 例えば投動作において,動きのコツと言われているものには,下のようなものがあります。




 投げるという動作一つをとっても,たくさんのコツがあるのだなと感じさせされます。実際に,体育の学習の中でも,「運動のコツ」という言い方をよくします。よく使う言葉ですが,いったいどのような状態が「運動のコツ」をつかんだ状態なのでしょうか?
 まず,コツの語源・由来についてですが,「コツは勘所や要領も意味するようになり,物事の本質を,自分のものにすることを『コツをつかむ』と言うようになった」とあります。つまり,自分のものにならないと,「コツをつかんだ」とは言えないのです。このことから考えても,「運動のコツをつかむ」ということは,実際に動きを試行錯誤しながらつかんでいくものなのです。

2 よい動きと動きのコツを,次のように捉えるといいのでは
 ただ…,これらのコツと呼ばれているものは,同列で述べられるものなのかと疑問が湧いてきました。それは,下のように整理できるのではないかと考えたからです。


 左手・左足を前に出し,右肘を上げると,捻転の投動作をスムーズに行うことができます。この動きは,誰もが納得するような合理的な動きだと考えます。
 ただし,右手の指を下げるということは,右肘を上げやすくするために行う動作です。つまり,誰もが納得するような合理的な動きというより,「その動きを行うためにはどうしたらいいか」という補助動作のようなものではないでしょうか。このような動きを動きのコツと呼んだらいかがでしょうか。

3 納得と実感との関係

 子どもがつまずいている状況を打開するための合理的な動きがよい動きであり,「納得」とは,そのよい動きなどを「なるほどそうか」と論理的に理解することです。そして「実感」とは,その納得したことを「確かにそうだ」と実証すること,よい動きを実際に行うための動きのコツを「こうすればいいのか」と,自分自身の体で感じ取ることです。そのためには,実際に動きながら試行錯誤して,自分なりの動きのコツを見出していくことが必要になってくるのです。
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